法テラス制度

いろいろな司法書士事務所、弁護士事務所が債務整理をススメています。
任意整理、個人再生、自己破産手続きをすれば、今より返済が減り、又は返済不要となり確実に生活環境は改善します。

しかし、心配になるのが費用です。
毎月の返済に苦しんでいるのに、これ以上債務整理のための費用を工面することはできないと思われている方もいらっしゃるでしょう。
司法書士等が債務整理に着手すると、任意整理や個人再生では手続き終了後に返済が再開されるまで返済を中止するので、その間に報酬を分割で支払うことになりますが、払いきれない場合は返済と報酬の支払いが重なることになります。
自己破産では返済自体が不要になるので、今まで返済にあてていたお金の一部で分割で報酬を支払うことになります。

このように報酬の支払いについては、多くの事務所では分割支払いにして債務者の負担を小さくするように配慮されていますが、それでも新たに発生する費用に債務整理をちゅうちょされる方も多いです。

そんなときに検討いただきたいのが「法テラス」の制度です。

当事務所は法テラス登録事務所ですので、登事務所にても法テラス利用による債務整理手続きが可能です。

法テラスとは

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人です。

法テラスでは、収入・資産等が一定以下の方を対象に、弁護士や司法書士による無料の法律相談を実施しています。
また、自己破産等の債務整理が必要な場合、法テラスが利用者に代わって弁護士や司法書士への費用を立て替えてくれます。利用者は分割で法テラスに費用を返済していくことになります。

利用できる方

法テラス制度は金銭的に支援が必要な方への司法サービスなので、利用するには以下の3つの条件があります。

  • 収入等(収入基準と資産基準)が一定額以下であること
  • 勝訴の見込みがないとは言えないこと
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

債務整理については、収入・資産による制限が関係してきます。

収入制限

  • 収入は申込者及び配偶者の手取り月収額(賞与を含む)が基準になります。
  • 申込者等と同居している家族の収入は、家計の貢献の範囲で申込者の収入に合算します。
人数手取月収額の基準 注1家賃又は住宅ローンを負担している場合に
左記月収額に加算できる限度額 注2
1人18万2,000円以下
(20万200円以下)
4万1,000円以下
(5万3,000円以下)
2人25万1,000円以下
(27万6,100円以下)
5万3,000円以下
(6万8,000円以下)
3人27万2,000円以下
(29万9,200円以下)
6万6,000円以下
(8万5,000円以下)
4人29万9,000円以下
(32万8,900円以下)
7万1,000円以下
(9万2,000円以下)

注1:東京、大阪など生活保護一級地の場合、(  )内の基準を適用され、以下、同居家族が1名増加する毎に基準額に30,000円(33,000円)を加算します。福岡県では福岡市と北九州市が一級地に該当します。
注2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、(  )内の基準を適用します。

資産制限

  • 申込者及び配偶者の現金、預貯金、不動産(自宅を除く)、有価証券などの資産を有する場合は、その時価の合計額が下表の基準以下。
    (※無料法律相談の場合は、申込者等の有する現金、預貯金の合計額のみで判断。)
人数資産合計額の基準 注1
1人180万円以下
2人250万円以下
3人270万円以下
4人以上300万円以下

注1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。
(無料法律相談の場合は、3ヵ月以内に出費予定があることが条件です。)

費用・支払について

交渉や調停、裁判など、手続きの代理を弁護士や司法書士に依頼した場合の費用を法テラスが立て替えてくれるので、すぐに債務整理手続きに着手することができます。

法テラス制度を利用して務整理手続きをした場合、弁護士や司法書士に対する報酬には基準額が規定され、それに基づいて額が決まりますので、依頼する事務所によって報酬額がバラバラということにはなりません。

費用事例

司法書士の書類作成援助による自己破産の場合(債権者数1~20社):
実費等:1万7,000円 報酬額:8万8,000円

弁護士の代理援助による自己破産の場合(債権者1~10社)
実費:2万3,000円 着手金:13万2,000円

※予納金等の費用が別途生じる場合があります。

法テラスが弁護士・司法書士に立て替えた費用は、援助を開始することが決まった後、分割でお支払いいただくことになります。
事件が終わったら、原則3年以内にお支払いが終わるよう、月々分割でご返済いいただきます。

事件進行中は、毎月10,000円ずつ、もしくは毎月5,000円ずつの返済となります。

立替費用支払い猶予・免除

生活保護を受給されている方は、立替金の支払を援助終結まで猶予されることがあります。
また、立替金の未返済額の免除を希望する場合は、全ての援助事件の終結決定以降に、適応基準を満たしていれば必要書類とともに法テラスに免除の申請をすることで認められます。

一時的に生活保護を受給し、その後、受給の必要がなくなることこが見込める場合等は、免除されないことがあります。

  • 生活保護を受給されている方の債務整理は、原則、自己破産手続きとなります。
    生活保護費は生活のための費用なので、保護費で借金の返済をすることは認められていません。返済していることが発覚すると支給取消しになるおそれがあります。

法テラス制度の詳細は法テラスのホームページをご覧ください。
法テラスホームページ