個人再生Q&A
個人再生には、①小規模個人再生 ②給与所得者等再生の2種類の方法があり、申請するには要件があります。
①②共通:
1.個人である。
2.支払不能に陥っている、またはそのおそれがある。
3.継続的な収入がある。
4.借金の額が5,000万円以下である。
②特有の条件:
1.給与所得等の安定的な収入がある。
2.過去7年以内に個人再生手続をしていない。
現金で購入されていれば問題ありません。ただし、車は財産になるので車の現在価値が返済額の最低額になる可能性があります。車のローンが残っていれば、ローン会社が車を引き上げることになるでしょう(中には、ローンの担保に車が入っていないこともあり、引き上げられないこともあります)。
個人再生により貸金業者は保証人に請求します。返済ができないのであれば、保証人にも債務整理が必要になります。
可能です。ただし、注意点として保証人がいる場合、保証人に請求がいくので個人再生をしたことが知られることになります。保証人には知られたくないのであれば、減額率は小さくなりますが、奨学金を整理の対象から外すことができる任意整理手続を検討ずることになります。
掛け捨てであれば問題ありませんが、返戻金がある生命保険等は検討が必要です。返戻金は財産とみられますので、解約返戻金の額が返済額の基準の一つとなります。例えば、借金300万円の場合、個人再生で返済額は100万円に減額されますが、解約返戻金が130万円あると返済額は高い方の130万円となります。保険は解約する必要はありませんが、130万円(月額分割払い)の返済がきびしければ、解約して返戻金を返済にあてることも考えなくてはならないでよう。
1回でも返済が遅れれば、再生債権者(借金総額の10分の1以上の債権者)が再生計画の取消しを裁判所に申立るおそれがあります。返済が遅れるときは、すぐに債権者に次の返済予定を連絡することが大事です。
勤め先が倒産、リストラ、病気等々の理由で計画通りの返済ができなくなっても、救済策がいくつかありますのでご検討下さい。
1. 返済を一時中断させてもらう。
2. 返済期間を延ばして月々の返済額を減らしてもらう。
3. 返済の残額を免除してもらう(大部分は既に返済済の場合に可能)。
ただし、当然、適用条件はきびしく、審査に時間もかかるので、想定外なことが起きても大丈夫な再生計画を立てることが重要になります。救済策が適用できず、支払続行不能として債権者が裁判所の申立をしたら、再生計画は取り消され、個人再生前の状態に戻ります。
家族:個人再生の手続過程で、裁判所に現在の収入、支出の状況を提出しなければなりません。家単位(夫や妻、同居の親も含む)の収支表の提出が必要で、家族の協力が必要になるので隠すことは難しいです。個人再生に失敗した場合、多くの方が自己破産に追い込まれます。個人再生による返済を成功させるにも、家族の理解、サポート、協力が重要です。率直に現状を家族に話し、協力を得ることも考えてください。
知人・職場の人:個人再生をすると国が発行する官報(新聞みたいなもの)に、あなたの住所と名前がのります。開始決定から認可決定まで計3回のります。知り合いがこの官報を見れば、知られてしまいますが、一般の方が官報を見ることはまずありません。官報は一般新聞のように駅やコンビニで簡単に買えるものでもなく、官報販売所で売られており身近にあるものではありません。インターネットでも官報の内容(過去30日分)を無料で見ることができますが、毎日アクセスして閲覧する人はそうはいないでしょうから、通常、周りに知られることはないと思って良いです。ただし、官報に掲載される以上、”ゼロ”ではないことを心に留め置いて下さい。
次のケースでお金を借りている場合は、第三者に知られます。
1. 会社からお金を借りている
2. 親類、知人からお金を借りている
3. 労金、共済組合等からお金を借りて給料天引きで返済している
個人再生をしたら裁判所から債権者にその旨の通知がされます。
1. は会社に、2.は親類、知人に裁判所から通知がいきます。
3. は労金、共済組合、互助会等の債権者へ通知されます。3の借入れは、通常、返済が給与天引きになっていることが多いです。手続開始で全ての返済・引落しが中止されます。労金等も給与からの天引き中止を会社に連絡します。そのとき、中止の理由について会社に伝えない場合もあるようですが、伝えることもあるようです。
もう一つの注意点
会社員の方は裁判所に退職金見込証明書を提出しなければいけません。今、会社を辞めた場合の退職金の額の証明書です。退職金は財産となるので、この証明書が求められます。この証明書は会社が発行してくれますが、普通に頼めば会社を辞めるつもりかと思われるでしょうし、個人再生のために必要とは言い難いです。住宅ローンを組むのに、住宅ローンの借換をするのに銀行から求められたと理由付けするのも考えられますが、深く聞かれると墓穴を掘りかねません。会社に退職金規定があれば、規定を元に自分で計算し、規定表のコピーと計算した見込額を提出することができます。
のります(=信用情報機関に事故登録されます)。5〜7年くらいの間登録されるので、その間、新たな借入れ(住宅・車のローン、携帯電話の分割ローン等)、クレジットカード・キャッシングカードの発行もむずかしいです。※ローンやカード発行を受け付けない期間は、業者によって異なります。
税金は減額の対象になりません。そのまま放置していると、財産が差押えられることにもなりかねませんので、個人再生申請前に滞納を解消しておことがベストです。が、額によってはそうもいかないので、通常、課税先に分割での支払いをお願いすることになります。
できません。生活保護費は収入ではないので、裁判所に返済に必要な継続的、反復的な収入が無いと判断されて認可されないでしょう。
家賃と水道光熱費は別扱いします。水道光熱費は6ヶ月分の未払いは先取特権という権利が認められ、その分の未払いは個人再生の減額対象にならず支払わなければいけません。
ただし、再生申立をすることにより、申立前の滞納を理由に供給ストップできないと法定されています。申立後は通常通り、支払うことになります。家賃は水道光熱費のような特権はないので、金融業者からの借入額と同様に再生手続の減額対象となり、減額後の滞納額を再生計画に従って支払うことになります。申立後の家賃は通常通り支払うことになります。
ここで問題は、大家さんや管理会社の対応です。法定された手続での滞納家賃の減額は受け入れなければいけませんが、賃貸契約の解消までは禁止できません。大家さんは賃貸借契約不履行による契約解消、立ち退き請求が可能です。これを避けるために家賃だけ全額返済すると偏頗弁済に該当し、弁済額がその分上乗せされたり、手続自体は不認可になるので注意が必要です。
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