任意整理手続き
任意整理は、借金額を固定し(以後に利息が発生しないようにする)、その額を月額均等で分割返済していく債務整理方法です。
※親族等にまとまったお金を出してもらうことができるような場合、一括返済を条件に今までの利息をカットして元金のみの返済に応じてもらえるケースもあります。
基本的には36回払いの3年間での返済になりますが、金額によっては60回払いの5年返済を認めてもらえる場合もあります。
ただし、3年がマックスでそれ以上は受け入れられない、任意整理自体を拒否する業者もいます(多くはありませんが)。
業者との交渉は司法書士が代理人となって行うので、ご依頼人が何かをすることはありません。
※1社からの借入額が140万円以下の場合に限定されます。
交渉経過と結果を聞くだけで、最終的に交渉した返済方法で合意するかどうか判断いただくことになります。
返済のための交渉
返済は基本的には、3年間の月額均等分割返済になります。
業者と返済期間、毎月の返済額等を交渉し、ご依頼人が対応できる内容で合意することを目指します。
返済期間と返済額
毎月の返済額は、返済期間と相関します。
基本的に返済期間は3年間で、例えば、現在までの利息も含めて総額が200万円であれば、返済回数は36回になり、200万円÷36で毎月の返済額は約5万円5600円になります。
返済期間5年を認めてもらえれば、60回払いになり毎月の返済額は約3万3300円になります。
事前に依頼人の現在に収入と支出の状況を確認させていただき、ご相談の上、返済可能な額を決めて、その額をベースに交渉することになります。
返済額について
毎月均等での支払いと説明しましたが、交渉によっては返済額を均等ではなく時期によって変えることも可能です。
例えば、今は経済的に厳しい状況にあるが、6ヶ月後に自動車のローンが終了し、その分を返済に回すことができる様な場合、最初の6ヶ月の返済額を月1万円、以降の返済額を5万円にする、というような交渉をします。
債権者側としては、申出を拒否して債務者が途中で返済不能になり自己破産されると1円も回収できなくなることを考えるでしょうから、変則的な返済方法が承諾される余地があります。
※債権者は自己破産された場合のリスクと返済に伴う管理コストを比較検討します。
自己破産してもらって貸金を損金処理した方が良い、と考える場合もあります。
返済再開時期
返済交渉において、返済期間、返済額に合わせて返済再開時期も決めます。
通常、合意書を締結した翌月から返済再開となります。
現在の収入や預金状況(司法書士が債権者に債務整理を受任した時点で返済をストップしていただき、できる限り将来の返済に向けて預金してもらうようにお願いします。)等を見て、翌月からの返済再開で問題なければ良いですが、あまり余裕がない、厳しいような場合は、返済再開時期をできる限り後に延ばすように交渉します。
債権者によりますが、2、3ヶ月程度であれば、承諾してくれることがあります。
勤務先の開示
お金を借りる際、申込書に住所、氏名とともに職業(勤務先)を記入すると思います。
その後、滞納状態になって債務整理をするとき、勤務先が変わっている方の多くは、今の勤務先を債権者に知られないようにして欲しいと希望されます。
当事務所としてもご希望に沿うべく、現在の勤務先は秘匿して交渉にあたりますが、債権者によっては、任意整理交渉する上で債務者の現在の勤務先を開示することを条件とすることがあります。
このような債権者は、秘匿のままでは交渉に応じないので、ご依頼人の了解を得た上で勤務先を開示することになります。
ただし、この場合でも、開示はしたが交渉は決裂して、結局、今の勤務先だけを知られることになった、というようなことがないように、合意書を締結後に開示するようにしております。
まとめ
任意整理は、個人再生に比べて借金の減額率が低いので、大きくならないうちに手続きに着手することが重要です。
交渉によっては、返済額や返済期間、返済再開時期をご依頼人の現状に合わせて柔軟に対応することも可能です。
今月の返済が苦しいので、新たに5万円借入て、、、というような対応は止めましょう。
このままでは返済が厳しいと思ったら、すぐに司法書士や弁護士に相談して債務整理に着手しましょう。