消費者金融から訴訟予告通知 どうする?

訴訟通知書

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返済を滞納すると、消費者金融等から郵便や電話、訪問による督促が行われます。

送られてくる郵便は督促状がほとんどですが、中には突然、訴訟を予告するような書面が送られてくることがあります。
書面に書かれている「訴訟」という言葉を見てびっくりするでしょうし、こわくなって何をどうしたらよいのか戸惑われる方も多いでしょう。

こうような書面が送られてしまったら、何をすべきか、すべきでないかを司法書士が解説します。

どこから送られてくるか

債権者からは様々な書面が送られてきますが、ここで言う債権者は「お金を借りた会社」だけではないことにご注意下さい。
「〇〇保証会社」「□□債権回収会社」等々の聞き覚えのない会社からも書面が送られてくることがあります。
”こんな会社からお金を借りた覚えはない”とムシするのは危険です。

保証会社からの通知:
銀行や信用金庫等の金融機関から借入する場合、保証会社がつけられます。
返済を滞納したら、保証会社が借主に代わって銀行等に借金全額を一括返済することになります。これを代位弁済と言います。銀行からの借入であれば、系列の消費者金融会社が保証会社になったりします。
例えば、三井住友銀行カードの借入に対しては、前のプロミスであるSMBCコンシューマーファイナンスが保証会社となります。通常、3ヶ月程度の滞納をすると、銀行は残額一括返済を保証会社に請求し、保証会社が本人に代わって一括で弁済します。
代位弁済がされると、債権者は銀行から保証会社に替わります。
代位弁済がされるということは既に滞納が3ヶ月以上発生している状態なので、保証会社によっては返還訴訟を提起する場合があります。この場合に、その前段階として訴訟予告通知等の書面を送付してきます。

債権回収会社からの通知:
債権回収会社(サービサーと呼ばれます)とは、債権を回収する専門会社です。
債権者である金融会社から回収作業を委託されたり、自ら債権譲渡(他社の債権を買取る)で債権を取得して回収をします。
本来、債権回収手続きは債権者以外では弁護士しかできない行為ですが、「債権管理回収業に関する特別処置法(サービサー法)」により一定の要件を満たし法務大臣の許可を受ければ行えるようになっています。
アイ・アール債権回収株式会社、SMBC債権回収株式会社、アビリオ債権回収株式会社等があります。
「債権回収」という文字が社名に含まれているので、ここから書類が送られてきたら、借りた先が債権回収をこの会社に委託したか、債権自体をこの会社に譲渡したかになります。

昨今、正規の債権回収会社の名に類似した社名をかたった架空請求もあるようなので注意が必要です。法務省HPに正規の債権回収会社リストが掲載されていますので、まず、正規かどうか確認して下さい。
法務省の正規業者リストはこちら

借りた覚えのない業者からの通知:
架空請求のおそれがあります。訴訟という言葉を使って相手をおどかしてお金を振り込ませようとしているかもしれませんので十分注意して下さい。この場合はムシするのが最善です。
ただし、債権(借金)が別の業者に譲渡(売買)された可能性もあります。債権譲渡は借主に事前に連絡することなく行われるので、自分の借り先が知らないうちに別の業者に替わっていることもあります。
債権が他社に譲渡された場合、通常、その旨知らせる「債権譲渡通知書」が送付されるので、知らない債権者から通知がきたら、以前に債権譲渡通知がきていないか確認して下さい。

どんな書面が送られてくるか

返済を滞納すると債権者から督促状や通知書が送られてきます。
その中でも「法的措置予告通知書」「訴訟予告書」「最終通告書」「差押予告通知」等々が記されたハガキや手紙が送られてくる場合があります。

これらの郵便は、「返済しないと裁判をおこすよ」という通知書面であり、まだ裁判がおこされたわけではありません。
裁判がおこされた場合、その通知は債権者や債権回収会社からではなく、裁判所から「特別送達」という形態で通知されます。郵便受けに投函されることなく、郵便配達員が手渡しで配達されますので混同しないようにしてください。

予告通知書が送られてきたら

訴訟を起こす気はないがプレッシャーをかけて返済を促すために通知書を送ってくるケースもありますが、ムシするにはリスクがあります。
実際に訴訟をおこされ、判決をとられると(債権者の勝訴)給与の差押えが可能になります。
また、消滅時効期間も判決確定から10年に延長されることになります。

債権者が裁判に勝訴したとしても、すぐに給与が差押えられるというわけではありません。債権者によっては差押えではなく時効の完成を防ぐ目的で訴訟を提起することもあります。

また、勝訴により給与の差押えができるようになっても、転職等で債務者の勤務先が分からなければ差押えることはできません。裁判所が勤務先を調べることはないので債権者の方で調査して裁判所に通知しなければいけません。
費用をかけて債務者の勤務先を調査し、給与の4分の1を差押えることは、債権者も費用対効果を考えるでしょう。
ただし、差押えのリスクがあることはご認識下さい。

やるべきこと

最初にやるべきことは、架空請求ではないことを確認しましょう。
借りた覚えのない業者からの書面であれば、債権が譲渡されたのかどうかを確認下さい。
保証会社であれば、滞納により代位弁済した旨の記載があります。
債権回収会社であれば、債権者から債権回収を委託されたことや債権譲渡を受けたことが記載されていますので内容に間違いないか確認下さい。

そして、一番重要なことは、対象になっている借金に時効が完成していないかを確認することです。
時効が完成していれば、返済する必要はありません。
この場合、時効による借金消滅を確定させるために「時効の援用」を行います。援用とは難しい言葉ですが、時効の完成を相手に主張することを言います。
電話ではなく、内容証明郵便で時効の援用をすることが重要です。

※時効の完成期間の計算は、最後の取引から5年(債権法改正前の信用金庫等は10年)となります。保証会社が代位弁済している場合は、代位弁済した日から5年になります。起算日を間違えてしまうと時効自体が完成していないということもあるので、専門家に相談するのが良いでしょう。

してはいけないこと

大体の場合、予告通知書には連絡を促す文章が書かれています。
「訴訟を回避するためにお電話下さい」「今、ご連絡いただければ減額等のご相談に対応します」等々。

返済を滞っている状況では立場的には弱く、相談により減額に応じてくれるのならと電話してしまうことも無理ありません。連絡をとって交渉により借金が減額できれば、それにこしたことはありません。

できれば、このような通知書面がおくられてきたら弁護士や司法書士に、費用が心配であれば法テラスに相談していただくのがベストですが、ご自身で連絡をするのであれば、
連絡する前に必ず「この借金は時効になっていないか?」を確認して下さい。
何も確認せずに、とりあえず連絡をとるというようなことはしてはいけません。

よく、時効期間の完成=借金の消滅と考え、時効が未完成で借金がまだ消滅していないから債権者が返済の督促をしてくると思われている方がいらっしゃいます。
それは誤りです。
時効期間が完成しただけでは借金は消滅しません。完全に消滅させるには、「時効の援用」を債権者に行わなければいけません。

援用するまでは借金は存在します。時効期間が経過している借金でも債権者は当たり前のように返済請求してきます。

そして、時効完成後に援用せずに借金を承認するような行為をすると、借金が完全復活してしまいます。承認により債権者は返済してくれるものと期待するであろうとして、以後、時効の完成を主張することは認められなくなってしまいます。

訴訟を予告されている借金が時効期間を経過している場合、債権者や回収会社は「承認行為」目的に連絡を求めてきます。
時効が完成しているのを知らずに電話をかけてしまうと、相手のペースで承認行為に誘導される可能性が大きいです。
自身で対応するのであれば、時効が完成しているかどうかしっかり確認して、完成しているのであれば時効を援用する旨を伝えましょう。ムシすることも可能ですが、裁判を起こされれば裁判所で時効の援用を主張することになります。