債務整理の選択方法
債務整理の方法として、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3っの方法があります。
各債務整理方法にはメリット・デメリットがあります。
人によって家庭の事情、周りの環境、仕事とのからみ等々事情が異なり、この方法が最適、と一概に言えません。
何を選択したら良いか迷うところですが、選択する上で基準をもうけることで選択しやすくなります。
選択基準1.家族・第三者にバレたくない
自分が借金をしていることを家族や第三者に知られたくない方は少なくありません。
また、借金があり返済している事は知られているが、返済できなくて債務整理することは知られたくない、このようにご希望される方も多いです。
この場合、まず、始めに「絶対に他者に知られない、と保証することはできません。」、そして、「しかし、最善を尽くして知られないように配慮します。」とお伝えします。
バレる可能性は、債務の状態、選択する整理方法によって異なります。
まず、注意する点として、以下のケースでは第三者に必ず知られることになります。
- 保証人がいる
個人再生、自己破産をする場合、必ず保証人に通知され知られることになります。奨学金も整理対象になるので、保証人がいる奨学金であれば保証人に通知されます。
任意整理も同様ですが、保証人がいる債権を任意整理の対象から外せば、通知されることはありません。 - 会社や親族、知人から借入している
個人再生、自己破産をする場合、必ず債権者として通知されるので知られることになります。
任意整理も同様ですが、任意整理の対象から外せば通知されることはありません。 - 家族カードを使用している
ご自身のカードをメインとしてご家族が家族カードを使用している場合、債務整理をすれば家族カードが使用不可となるのでご家族に知られることになります。
任意整理で当該カード会社を対象から外せば当面は大丈夫ですが、カード会社によっては他社に対して債務整理をしたことを知った段階で使用停止にしたり、更新を拒否したり等で使用できなくなり、家族に知られることになるおそれがあります。
自分名義のカードを配偶者が生活費等で使っている場合も、突然使えなくなるので知られることになります。
次に、可能性が高くなるケースとしては以下になります。
- 給料から天引きしているものがある
労働金庫や共済組合等を利用している場合、返済は給料から自動引き落としになっていることが多いです。
個人再生、自己破産すると組合等から会社に引き落とし停止の通知がされます。
停止の理由を債務整理と会社に伝えられてしまうと、知られてしまうことになります。 - 会社・互助会等に財形貯蓄、積立金がある
積立金は財産になるので、一定額を超えていると解約して納付しなければいけません。
管財人により解約されれば、それにより知られることになります。 - 手続に資料が必要
個人再生や自己破産では、裁判所への提出書類として世帯収入を提出しなければいけません。
配偶者が働いている場合、その収入額と給与明細等何らかの書類を提出する必要があります。状況によっては配偶者名義の預金通帳の写しも必要になる場合があります。
直近2ヶ月間の家計表も必要になるので、これらの資料を集める時にご家族に知られる可能性が高くなります。
また、会社を辞めなくても辞めた場合の退職金の見込み額を算出しなければいけません。任意整理には必要ありません。 - 官報公告される
個人再生と自己破産においては、手続してことや終了したことが官報に公告(掲載)されます。
住所、個人名が掲載されるので、親族や会社に知られるおそれがあります。
しかし、官報自体を見る人はそうはいませんし、手続をしている全国の人が一堂に掲載されるので、掲載数も多く目立つこともなく、官報から知られることはあまりありません。 - ローンで品物を購入している
自動車や宝石等々の物品をローンで購入している場合、個人再生、自己破産をすれば、当該物品を引き上げられるおそれがあり、それにより知られることはがあります。
通常、ローンが完済するまでは所有者はローン会社になっているので、特に自動車や宝石等の高額な物品はローン会社に回収される可能性が高いです。
今まであった物品が突然第三者に持っていかれるので、知られることになります。 - 新たなローンが組めなくなる
家族で何か大きな買い物をする時にローンを組むことができなくなるので、知られるおそれがあります。
家族や第三者のバレる可能性からみると、任意整理<個人再生・自己破産となります。
選択基準2.返済能力
任意整理、個人再生は、手続が終了したら返済を再開することになりますが、自己破産は返済は不要になります(税金等、免除されないものもあるので注意)。
現状、手取りの収入で生活するのが一杯一杯であれば、自己破産しか選択の余地がないでしょう。
任意整理であれば、現在の借金総額を60ヶ月(5年)で割った額がおおよその毎月の返済額になります。
借金総額が100万円なら約1万7,000円、200万円であれば約3万4,000円を毎月返済していくことになります。
個人再生では、借金が5分の1(最低100万円)になり、それを60ヶ月(5年)で割った額がおおよその毎月の返済額になります。
個人再生の場合、最低でも毎月約1万7,000円の返済が必要になります。
支出面からみると、自己破産<個人再生<任意整理の順に負担が大きくなります。
無理をして任意整理をしたが、結局、自己破産せざるを得ない状況になってしまう、、という事も少なくありません。
任意整理や個人再生を選択する場合も、突発的支出が生じても対応できるかをしっかり検討することが重要です。
選択基準3.費用
司法書士・弁護士及び裁判所等に支払う費用面でみると、任意整理<自己破産<個人再生となります。
自己破産に比べて個人再生の方が手続きが複雑なので、その分費用が高くなります。
この点から、自己破産はしたくない、できない等の理由がない場合は、費用も安く手続後の返済も不要な自己破産をおススメします。
選択基準4.手続きの簡易性
債務者自身がどれだけ債務整理手続に関与しなければいけないか、債務者の負担の面から検討すると任意整理が圧倒的に簡易です。
債務者は全て司法書士や弁護士に任せることができます。
司法書士等は予め債務者と返済に関して打ち合わせを行い、それを基に債権者と交渉し、最終的に債務者の確認を得て新たな返済方法について債権者と合意します。
債務者は合意された内容に従って返済を再開するだけになります。
個人再生、自己破産は裁判所が主体となって手続を進めるので、いろいろな書類、資料を提出しなければいけません。
司法書士が作成するものもあれば、債務者自身が作成、収集しなければいけなものもあります(家計表や給与明細等)
また、司法書士に依頼した場合、裁判所へ1,2回行かなければいけません(弁護士に依頼した場合は不要)。
まとめ
債務整理は、生活再建のための最終手段です。
法律で規定されたものであり、返済に苦しんでいる債務者の方々にとって自己救済のための権利とも言えます。
苦しいときは、迷わず債務整理に向けて一歩を踏み出すことが必要です。
司法書士や弁護士は日常的には接することのない職種でしょうから、連絡することにちゅうちょされるかもしれません。
しかし、我々債務整理のプロはご相談いただければ、ご家庭の事情、職場環境等々いろいろな面を考慮し、ご相談者にとって最善の債務整理方法で解決を図ってまいります。
ご相談したからといって、債務整理の依頼を強要するようなこともございません。
返済がきつい、将来が不安と感じている方は、まずは、ご相談下さい。
初回のご相談は無料です。
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