家計表

自己破産したら家計表を

自己破産の申立をする場合、裁判所に家計表を提出しなければいけません。

これは、裁判官が申立を審査するにあたって、お金の出し入れ(収支表)や家計全体(家族の分も合わせて)の状況を把握する必要があるからです。

裁判官は、本当に返済不能な経済状態にあるのか、隠し財産等はないか、遊興やギャンブル等で浪費をしていないか等々の観点から家計表を見ます。

申立にあたって書類の多くは、司法書士が作成しますが、家計表のようにご自身で作成していただくことが必要な書類もあります。

家計表の作成、提出は、必須なので避けることはできません。

福岡で自己破産の申立をする場合、直近1ヶ月分の家計表を作成して提出することになります。

家計表の記載内容

家計表は「収入」と「支出」に分かれています。

提出するのは1ヶ月分をまとめた家計表になりますが、集計するためにも毎日のお金の出し入れの記録を付けておく必要があります。

「収入」欄の項目は以下のとおり。

  • 前月からの繰越金
  • 給料・賞与
  • 年金
  • 雇用保険
  • 生活保護
  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 保険返戻金等
  • 預貯金引出
  • 養育料
  • 援助
  • 事業収入
  • 借入

「支出」欄の項目は以下のとおり。

  • 家賃(管理費も含む)
  • 駐車場代
  • ガソリン代
  • 通勤・通学費用
  • 水道・光熱費
  • 電話料金
  • 食費
  • 外食費
  • 被服費
  • 医療費
  • 教育費仕送り
  • 新聞・本代等
  • 交際費
  • 娯楽費
  • 事業資金
  • 生命保険料
  • その他保険料
  • 社会保険料税金
  • 雑費
  • 返済

1円単位で毎日の入りと出を集計するので、”大体これくらい”というような大まかな数字は認められません。

作成ポイント

家計簿は世帯単位で作成することになります。

家族と同居されている場合、ご自身だけでなく家族全体の収入、支出になります。

ポイントとしては、当たり前ですがウソは書かない、そのままを書くことが大切です。

審査する裁判官は家計表だけでなく、一緒に提出する預金通帳の記録等の資料も含めて総合的にチェックするので、おかしな数字があれば気付きます。

疑問に感じる点があれば質問してくるでしょうし、場合によっては資料の提供を求めてくることもあります。

ウソがばれると審査に大きく影響するので、そのような行為はやめましょう。

事前準備

裁判所に提出する家計表に不備な点、裁判官におかしいと思われるような点がないように、事前に準備をします。

自己破産の申立をする場合、書類の作成、収集のため、通常、その準備に数ヶ月かかるので、その間の家計表を作成していただきます。

裁判所には直近の1ヶ月分の家計表を提出しますが、司法書士は依頼を受けた時点からの家計表の作成をお願いし、家計表を依頼人と共に改善点がないか確認させていただきます。

娯楽や嗜好品に対する支出は自己破産するのだから一切認められない、というようなことはありませんが、パチンコや競馬等のギャンブルや過度の嗜好品への支出は控えるべきでしょう。

作成いただいた家計表をもとに支出面でカット等改善できる部分は事前に改善し、それでも返済不能状態であり自己破産が必要であることを裁判官に理解してもらうようにします。

まとめ

自己破産の申立をする方が家計表を作成する場合、収入は少な目に、支出は多め目に、この支出は書かないでおこう等々、いろいろ考えて作成される方がおられますが、そのようなことはせずにありのままで作成することが重要です。

書いた家計表をいきなり裁判所に提出するわけではありません。

申立をする事前段階として、司法書士にありのままの家計表を出していただき、それを出発点として家計表の中身を改善していき、改善された家計表を裁判所に提出します。

自己破産のお手伝いをする司法書士はパートナーですので、信頼いただいた上で共に手続きを進めていくことが大切です。