自己破産は返済できない借金を全部免責(チャラ)にする手続きなので、免責になる前に破産者の保持している財産で返済することが求められます。

不動産は換金されて借金返済に充当されるので、保持することはできません。

動産に関しても、借金を免責にするのに骨董品、絵画、宝石等の高額な品物は、管財人によって換金され返済に充当されます。

では、自動車はどうなるか?

高額な動産と言えるので、自動車も拠出する必要があるかというと、一概にそうとは言えません。
むしろ、多くの場合、自己破産申立後も保有できます。

自動車ローンがないケース

自動車の現在価値が20万円を超えている場合は、原則、処分(拠出)することになります。

申立をする際、財産目録を提出しなければいけないので、自動車を保有していること及びその査定書類を裁判所に提出します。

査定は無料で中古車買取業者もやってくれるところもありますが、買取が前提ではないのでやってくれない場合もあります。

そこで、一般的には全国にある一般財団法人日本自動車査定協会の支所に査定を依頼することになります。
1~2万円前後の費用がかかりますが、正式な査定表を交付してくれます。

20万円の基準

普通自動車で価値は20万円を超えているだろうから、自動車の保有は諦めるしかない、、と思われる方も多いですが、最初に述べたように保有し続けられる方は以外と多いです。

それは、実際に査定をしてもらう以前に、新車登録して5年を経過している車は特定のケースを除いて20万円以下として保有を認められます。

手続きされる方が保有している自動車の多くは5年を経過しているので、手続き後も保有できています。

但し、外国車であったり、ハイブリッド車、電気自動車、2500ccを超える車の場合、価値が高いと判断され査定が必要になり、20万円を超えていると保有できなくなってしまいます。

20万円を超えても保有できるケース

査定額が20万円を超えていても、保有できる場合があります。

20万円以下が自由財産(=処分せずに保有でき財産)になりますが、超えていても「自由財産の拡張」の申立をして裁判所に認めてもらえれば、保有することができます。

ただし、「自由財産」及び「自由財産の拡張」で保有が認められるのは、総額99万円までです。

例えば、自動車の査定額が40万円で、他に現金、預貯金等の財産を合わせると99万円を超えてしまうと、99万円内に収めるために自動車等の何らかの財産を処分(拠出)しなければならなくなります。

また、親族等に自動車を買い取ってもらって、引き続き当該自動車を使用する、という方法もあります。

自動車は親族の所有物となるので、自己破産による処分の対象になりません。
但し、この方法はとても慎重にする必要があります。

動産を売却して把握しずらい現金にしたりする行為は、適切な破産手続きを妨害する行為をみられるおそれがあります。
最悪、破産詐欺罪にとわれる可能性もあります。

適正な価格で売却する等のしっかりした手順が必要になります。

自動車ローンが残っているケース

自動車ローンが残っている、裁判所での手続きとの関係ではなく、ローン会社との関係で保有できるかどうかが決まります。

自動車ローンで購入した場合、通常、ローンが終了するまで自動車の所有者はローン会社(またディーラー等)になっています(所有権留保特約)。

そして、自己破産するとローン残額は免責(チャラ)になるので、所有者であるローン会社は債務不履行で自動車を引き揚げるでしょう。
※まれですが、ローンがほとんど終わっていて残りわずかという状態であれば、費用を考慮して引き揚げることまではしない、という場合もあります。

引き上げられないように自動車ローンだけは支払う、、ということはできません。
自己破産は債権者平等の原則により、全債権者を対象にすることが義務付けられています。

ローンが残っている自動車の保有

どうしても自動車が必要という場合、親族等に残金を支払ってもらって引き揚げを回避する手段があります。

ローン残高を親族等の第三者に引き受けてもらい、引き揚げを回避します。
引受には、債権者であるローン会社の承認が必要なので、交渉が必要になります。

自動車ローンでも所有権留保特約がないケースもあります。
銀行で扱うオートローン等で見かけますが、この場合、所有者は申立人になるので申立人の財産として20万円を基準に処理することになります。