税金滞納

税金滞納

銀行や消費者金融からの借入返済を滞納している方の中には、所得税や住民税、固定資産税、自動車税等々、各種税金も滞納していることがあります。

借金と同様に税金も整理できないかと質問を受けることがありますが、税金は債務整理できません。

同様に社会保険料(健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険等)も債務整理できません

個人再生や自己破産しても、これらの滞納金は対象外なので、手続き後でも丸々支払義務が残ります。

税金滞納の注意点

滞納している税金徴収は最強です。

金融機関が差押えする場合、まず、返済するよう訴訟を提起し、勝訴判決を得た後に更に執行裁判所に差押えの申立をしなければいけません。

このように、滞納から差押えまでに時間も費用もかかるのですが、税金は違います。

税金の滞納に対しては、裁判を起こすことなくいきなり差し押さえをすることができます。

滞納、即、差押えとはなりませんが、督促を無視し続けると差押えのおそれが高くなります。

また、金融機関による差押えの対象は給料や銀行口座で、動産を差し押さえることはあまりありませんが、税金滞納に関しては動産の差し押さえも行われます。

テレビでもドキュメントとして放送されたりしていますが、自動車や家にあがって価値がありそうな動産を差し押さえたりします。

自己破産と税金支払い

自己破産手続きにおいても、税金は特別扱いされます。

一部の債権者に返済すことは「偏波弁済」と言って免責不許可事由に該当するおそれがありますが(債権者は平等であることが原則)、税金の支払いについては「偏波弁済」には該当しないとされています。

自己破産と税金滞納差押え

自己破産手続き開始が決定されたら、以降、差押えはできません。

これは、税金滞納も同様で「破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分は、することができない。」と規定されています

しかし、開始決定前の差押えに関しては取り扱いが異なります。

既に差押えがなされ、その後に破産手続開始が決定された場合、通常は差押え手続きは効力を失います。

しかし、国税滞納による差押えの場合、その後に自己破産が開始決定されても手続きは続行されます。

最後に

以上のように、税金は国民の義務なので、滞納に対する処分は他の債権より厳しくなっています。

税金の滞納は自己破産でも逃れることはできません。

督促を無視していると、いきなり家にやってきて「差押え」ということもあり得ますので、そうならないように、支払えないときは担当窓口に行って支払い方法について相談しましょう。

分割にしてもらったり、しばらく猶予してもらったりと、支払う意思を示せば相談に応じてくれます。

他からの借金もあるような場合は、債務整理を検討しましょう。

他の借金を整理することで税金の支払いにあてることができるかもしれません。

その場合は、弁護士や司法書士にご相談ください。