
借金が溜まりにたまってどうしようもなくなった。
借金取りが家まで押しかけて、絶え間なく戸を叩いている。
もう、ここでは生活できないから、どこか借金取りの分からない場所に夜逃げしよう。
これが夜逃げの典型的なパターンです。
最近の例では、家賃を長期間滞納している賃借人に管理会社明渡しの訴訟を起こし、裁判所から訴状が送達された後に部屋からいなくなる、ということがありますが、これも夜逃げと言えば夜逃げになるでしょう。
姿をくらまして借金から逃れる。
追いつめられてどうしようもないときの最終手段として否定するものではありませんが、今は法も整備されており夜逃げせずに済む方法はいろいろとあります。
夜逃げ
借金とりから逃れるためにどこかに逃げる。
昼間は見張られているかもしれないので、深夜遅く人知れずに逃げる。
映画にもなったりしていましたが。
昔は取立も厳しく、それこそ暴力団が貸主から依頼を受けて堂々と取立をしていた時代があったので、それから逃れるために夜逃げすることがありました。
しかし、現在は法も整備され、暴力団が取立をすることはできなくなっています。
取立方法も規制されているので、昔のように早朝、深夜に家に押しかけてドンドンと戸を叩くような行為はできなくなっています。
それでも、滞納すれば督促状や督促の電話、家への訪問に怯えて、それから逃れるために夜逃げのように住居を変える方がおられます。
夜逃げの効果
誰にも言わずに夜逃げのように家を変えることで、債権者からの督促から逃れることができます。
督促の恐怖におびえることなく静かに暮らせる。
夜逃げでメリットと言えるのはこれくらいしかありません。
デメリット
対してデメリットは多く、逃げた先での生活はかなり制限されたものになってしまいます。
大きなデメリットは、夜逃げ先の住所地に住民票を異動できないことです。
正当な理由があれば、第三者であっても他人の住民票を請求することができます。
貸金の返済や家賃を滞納されている債権者や管理会社は、滞納分の請求を理由に債務者の住民票を取得することできます。
債権者に住民票を取得されると夜逃げ先の住所がバレてしまうので、住民票を移転先に異動することができません。
そして、住民票を移すことができないために以下のような弊害が生じます。
- 運転免許証を更新できない。
- 選挙で投票できない。
- 移転先で児童手当等の補助が受けられなくなる。
- 印鑑証明証等の公的証明書が取得できない。等々
時効も簡単ではない
逃げおおせば時効で借金がチャラになると思われている方もおられるでしょう。
最後の取引から5年経過すれば時効が成立するので、チャラになるケースもあると思います。
しかし、現在は訴訟を提起する会社も多くなっているので、提訴されたら時効は判決が確定してから10年になります。
夜逃げをしていると自分が提訴されたことも分からないので、時効が成立しているかどうかを判断することも難しくなります。
時効が完成しなければ、逃げている間は高率の遅延損害金がずっと加算されることになるので、総額が大きなものになってしまいます。
夜逃げは不要
夜逃げは昔の話しと思ってください。
取立方法も規制されており、違法な取り立てにはしっかり録画、録音して証拠を揃えれば警察も対応してくれます。
業者も違法な取り立てをすると行政処分を受けることになるので、そのような行為をする業者はめったにいません。
しかし、滞納に対する督促は当然の行為ですので、督促に悩まさられることを避けることはできません。
債務整理が最善の選択
夜逃げをする前に債務整理を。
司法書士や弁護士に相談を。
これに尽きます。
専門家に債務整理を依頼すれば督促は止まります。
債務整理といっても生活費でギリギリで返済するお金がない、という方は返済不要な自己破産があります。
自己破産する費用を払うことができない、という方は法テラスを利用することで月5,000円からの分割で費用を払うことができます(審査によって生活保護受給者は無料になる場合もあります)。
夜逃げは、その場しのぎ、一時しのぎで、その後の生活におけるデメリットが大きいです。
苦しい、この場から逃れたい、と思われたら、司法書士、弁護士に相談しましょう。
無料で相談に対応している事務所も多いので、迷わずに、お気軽に相談してください。