借入

急にまとまったお金が必要になったり、一時的に家賃や生活費に困って消費者金融から借入するとき、現在の収入を考慮して毎月返済できそうな額で借入される方が多いと思います。

返済このことも考えて計画的に借入されている方の多くは問題なく完済されるでしょう。

しかし、中にはリストラや雇止め、転職による収入減、入院等の想定外の出来事で毎月の返済に困ることもあります。
そんなときに、返済するために新たにお金を借りることがあるかもしれません。
浪費するわけでもなく、借金返済のために使うお金だからと借りるときの心理的なハードルは低くなるかもしれません。

一時的な借入であり、近時に穴埋めできる収入が見込めるのであれば問題ないですが、穴埋めせず追加で借りた分を含めた返済を続けていると、いずれその返済も厳しくなり再度、返済のための新たな借入をすることになるおそれが高いです。

こうなると、借金は加速的に膨れ上がり、あっという間に自己破産するしかない状態になってしまいます。

こうならないためにも、まず、借金返済のための借金の危険性と対策を司法書士が解説します。

借金返済のための借金

事例:Aさん、X社から80万円借入(利息17.8%)、
月2万円で返済中、返済回数は62回(5年2ヶ月)

この場合の返済総額は約122万円。
80万円の借入に対して利息として約42万円を支払いうことになります。

21回目まで返済は順調に行っていたが、22回目の返済時に予想外の出費が重なってしまい返済のために新たに3万円を借りた場合、この1回の3万円の借入がどうのように影響するか?

21回(返済額42万円)の返済を終了した時点で、80万円の元金は60万1,306円に減っています。
ここで3万円を新たに借入すると元金は63万1,306円になります。
この元金約63万円を月2万円で返済すると・・・

返済額は約85万5,000円(利息は22万5,000円)になります。

3万円借りる前に既に返済した額は42万円。
3万円借りた以降の返済額は85万5,000円。
返済総額は計127万5,000円になります。

当初、80万円を月2万円で返済した場合の返済総額は122万円でした。
それが、途中に返済のために3万円を追加で借りると、返済総額が5万5,000円増える(利息は約2万5,000円増額)ことになります。

1回の借入でこれだけの影響がでます。
3万、4万と返済のための借入を繰り返すと、あっと言う間に返済総額、利息が膨れ上がり、日常生活が破綻し自己破産しか選択肢がなくなってしまう・・という事態になってしまいます。

一番の対策は早期の債務整理

一時的に、急に、まとまった金額が必要になるケースは誰にでも起こり得ます。

借入後、計画通りに返済していける間は何も問題ありませんが、毎月の返済のためにお金を工面しなければいけなくなってしまうと日常生活に大きく影響してしまいます。
返済に追われる毎日、その不安は精神的にも大きな負担となってしまいます。

借金返済のために新たな借金をしている状態は、確実に破綻に向かっているとご認識下さい

今ある借金の返済ができないのに、借金を増やして返済することは破綻の先送りでしかありません。

現在、返済のための借金をされている方は、まずは、新たな借入をすることなく返済できるように現在の支出を徹底的に見直して下さい。
家賃高くないですか?
敷金、礼金ゼロの今より安い賃貸物件を探してみませんか? 
以前は、ゼロゼロ物件として管理会社の対応が厳しく社会問題になったこともありますが、福岡市など賃貸物件の供給量が多い地域では優良なゼロゼロ物件も多く出ています。
引っ越し費用の問題はありますが、友達や知り合いに手伝ってもらうことで安く抑えることも可能です。

そして、支出を見直しても新たに借入せずに返済することができないのであれば、債務整理を検討して下さい。
借金額が大きければ、個人再生や自己破産手続きになりますが、早期の段階であれば簡単な任意整理による債務整理でも返済総額を減らすことができます。

返済の心配がない平穏な毎日を取り戻すには、ご自身がそのための一歩を踏み出す必要があります。

必要があれば弁護士や司法書士等の専門家にも相談しましょう。